Q.ポリウレタンフォーム(PUF)とはどのようなものを言うのですか?
A. ポリウレタンフォームは、ポリオールとイソシアネートを主成分として、発泡剤、製泡剤、触媒、着色剤などを撹拌混合して化学反応により発泡硬化させたいわゆるスポンジ状のプラスチック素材で、柔らかくなるように配合設計されたものを「軟質ポリウレタンフォーム」と言い、硬くなるように配合設計されたものを「硬質ポリウレタンフォーム」と言います。
Q.ポリウレタンフォームはどのようなところで使われていますか?
A.軟質ポリウレタンフォームの主な用途は以下の通りです。
分類 | 用途例 |
---|---|
車輪四輪 | 座席用シートクッション、カバー生地ラミネート裏打ち材、ドアトリム、センターピラーガーニッシュ等緩衝材 |
二輪車 | サドル、エアフィルター、オイルフィルター、ヘルメット内貼り、ライダークッション |
機器 | 各種吸音材、空調用フィルター、水・気密シール材、防音床材 |
家具 | 椅子、座椅子、ソファー |
寝具 | マットレス、まくら、ベッドパッド |
インテリア | 座布団、クッション、カーペット類裏打ち材 |
包装 | 精密機器用梱包材、食品・果物梱包材、鮮魚トレー敷き |
日用雑貨 | 食器洗い用スポンジ、バススポンジ、洗車用スポンジ、隙間テープ、化粧用パフ |
衣料品 | 肩・ブラジャー等のパッド、防寒着等 |
その他 | 育苗・水耕栽培用培地、水処理用微生物固定担体、運動用着地マット |
Q.軟質ポリウレタンフォームはどのような方法で製造するのですか?
A.製造工場では主に「スラブ」または「モールド」品の形で製造します。
「スラブ」品はコンベアーと連動したシート(工程紙等)上にポリウレタンの原料となる反応液を流して発泡硬化させて製造されます。通常、幅は1~2m、 高さ0.3~1mの角状で、連続的に発泡させ、長さ2m程度の短尺ブロックあるいは60m程度の長尺ブロックに切り出します。短尺ブロックは様々な形に
裁断加工され各種用途に使用され、長尺ブロックはスライス機にて1~15mm厚にスライスして表皮材と張り合わせ、主に自動車シートクッションのカバー
材として使用されます。
「モールド」品はある種の製品形状をしたプラスチックまたは金属製の型(モールド)内に反応液を注入して発泡硬化させた後、型から取り出して成形品と
するもので、複雑な形状のポリウレタンフォームを得ることができます。自動車のシートクッションは主にこの製造方法で作られています。
Q 軟質ポリウレタンフォームにはどのような特徴がありますか?
A. 要求に応じていろいろな物性や性能を付与することが可能です。
ポリウレタン原料となるポリオール類、イソシアネート類、発泡剤、整泡剤、触媒、あるいは必要に応じて着色剤、その他配合剤の組合せ、製造条件等を
選択することにより、様々な用途に適した性能のポリウレタンフォームとなります。すなわち、軽量で、クッション性、耐久性、衝撃吸収性、断熱性、耐
熱性、難燃性、吸音性が良く、着色自由度が広い等の特徴が発揮されます。
いろいろな形状の裁断、成型加工ができます。
軟質ポリウレタンフォームは、平面や曲面、あるいは凸凹やくり貫き加工等が容易にでき、薄いシート状から定型品まで所定形状に自在に加工でき、また
熱圧縮成型も可能です。また自由なデザインと寸法精度を有した自動車部品等では、型内で発泡させる「モールド成形品」なども使用されています。
用途に応じていろいろな接着・一体加工方法が選択できます。
軟質ポリウレタンフォーム同士の他、金属類、布、レザー等との縫製や接着加工などによる一体化が容易にできますが、フォーム表面部を専用バーナーの
炎に瞬間的にさらして熔融させ、生地等に接着させる「フレームラミネート加工」は風合いが良く、生産効率の良い加工方法です。
Q.軟質ポリウレタンフォームはリサイクルできますか?
A. リサイクルできます。軟質ポリウレタンフォームの主なリサイクル方法は、細かく粉砕したフォームに接着剤を噴霧し固めたチップフォーム(リボンデ
ッドフォーム)で、自動車部品や家具をはじめ、様々な分野で利用されています。しかし製造や加工の段階で発生する廃材の再利用に限られ、使用済みの
ウレタンフォームは汚れや衛生上の問題からマテリアルリサイクルには至っておりません。
また他のリサイクル方法としては、微粉末添加方法や、燃焼させてエネルギーとするサーマルリサイクル法が挙げられますが、これらを中心に実用化検討
が進められています。
Q.使用済の軟質ポリウレタンフォーム製品はどのように廃棄すればよいですか?
A.軟質ポリウレタンフォームは石油化学製品ですが、家庭で発生する一般可燃物として処理します。一般的には製品からポリウレタンフォームのみを取り
出し、それを小さく裁断して廃棄します。ただし、各市町村条例等で廃棄方法が定められている場合には、その条例に従って廃棄して頂く必要があります。
各市町村が発行するゴミの出し方についての配布資料をお読み頂き、ポリウレタンフォーム製品に関する記載があればそれに従って下さい。また大きい状態
あるいは大量に廃棄する場合は事前に届け出が必要になりますので、各市町村の廃棄ルールに従って処分下さい。